*ICP:一般社団法人泉佐野シティプロモーション推進協議会。2021年に地域DMO(観光地域づくり法人)に認定された、観光やまちづくり事業を推進する団体です。
1.きっかけ 泉佐野市の観光課題

関西国際空港を擁する泉佐野市。漁港、犬鳴山や旧家建築など多様な観光資源に恵まれた立地でありながら、実はある課題を抱えておられました。
近年のインバウンド旅行客の拡大により、多様な食文化や慣習をもつ訪日外国人観光客が増加しているものの、そのような方々に対応した飲食店や宿泊施設の数が十分ではなかったのです。そこで着目されたのが、食の多様性の推進。
宗教やアレルギーを問わず誰もがグルメを楽しめる街になれば、より多くの方が来てくれるのではないかーーそこで24年に接点を持ったICPとMIRACORE®︎の両チームがタッグを組み、25年にプロジェクトを始動しました。
MIRACORE®︎チームにとっては、提唱している「オールパーパス」の実証ができる機会であるとともに、本社を置く泉佐野市の活性化に貢献できるチャンスでもありました。
*オールパーパス:誰もが「うまい!」と思う植物性食品によって、食品の海外輸出、アレルギーなど多様な食ニーズへの対応と人手不足対策の両立など食を取り巻く様々な課題に応えるというMIRACORE®が提唱する概念です。
2.活動①キックオフ オールパーパス勉強会
ICPとMIRACORE®︎チームで初めに行ったのは、市内の飲食事業者を集めて行うオールパーパス勉強会。泉佐野市の本社敷地内にある「不二製油サイエンスイノベーションセンター」のホールを会場として、市内12店舗の事業者の方に参加いただきました。

当日は、MIRACORE®︎の製品を活用することで、ビーガンやベジタリアンでない方も遜色なく美味しく召し上がれる和洋中のオールパーパス料理を、ビュッフェ形式で試食いただきました。さらに、MIRACORE®︎チームの開発メンバーによる調理デモンストレーションも行いました。


この後、取り組みに共感いただいた事業者さまがプロジェクトへの正式エントリーをされ、MIRACORE®︎製品を活用したメニュー導入に着手されました。
3.活動②シェフによる実践講習会
さて、キックオフから1ヶ月経ち、プロジェクトに参加される各飲食事業者はICPから提供されるサンプルのMIRA-Dashi®︎などを使って、お店オリジナルのメニューを開発されています。
MIRA-Dashi®は和洋中あらゆる料理ジャンルにベースとして使え、肉や魚のような味わいを表現する汎用性の高いダシ素材ですが、初めて触れる素材を前にして、レシピ開発に難しさを覚えるお店があってもおかしくありません。
そこで、ICPとMIRACORE®︎チームは共同して、シェフによる実践的な勉強会を企画しました。
今回ご依頼したのは、宮城県の古民家オーベルジュ「風の沢」のオーナーシェフ、高山仁志シェフです。
高山仁志シェフ風の沢で宿泊者やカフェ利用者に提供されるお料理は、MIRA-Dashi®︎を中心とした植物性のダシをベースにされています。土地の特色ある食材を主役にしたお料理の<引き立て役>としてMIRA-Dashi®︎を活用されています。また、突然ビーガンのゲストがお越しになっても、大きくオペレーションを変えることなく高品質なおもてなしでご対応できるというメリットもあるそうです。
まさにMIRA-Dashi®を使いこなし、オールパーパスをビジネスの中で実践されている高山シェフに、今回の講師を依頼しました。
チリコンカンの調理デモンストレーション当日は、各飲食店から持ち寄られた「MIRA-Dashi®を使ってこんな料理に挑戦したい」というアイディアをもとに、MIRA-Dashi®活用のコツがわかるような調理デモンストレーションを行なっていただきました。
「リゾットを作りたい」という事業者さんのご要望に応えて……ここから、各飲食店でのレシピ開発が本格化していきます。ICPやMIRACORE®チームがフォローアップをし、メニュー化を促進しました。
4.活動③市長・社長も実食!発売メニューお披露目会
2月26日、採択された9事業者による、発売予定メニューのお披露目会を行いました。
これまでのイベントと同様に、不二製油のサイエンスイノベーションセンターのホールを会場としていますが、いつもとすこし様子が違います……。今回は、泉佐野市の千代松市長と、不二製油の大森社長の両トップに試食をしていただくとともに、メディア発表も行う一大イベントです。会場には、テレビ局を含めたメディア13社と、観光業界の関係者の計30名の方がお越しになりました。
9店舗それぞれが開発した<食の多様性対応メニュー>を1品ずつ試食提供し、メニューにかけた思いをお話しいただきました。
スパイスカレーフラミンゴ「和風大豆ミートみそキーマカレー」
大豆ミートをひき肉に見立て、みそでコクを出したキーマカレー。MIRA-Dashi® カツオタイプのダシ感がしっかり効いています。

スパイスカレーフラミンゴ
https://www.instagram.com/spicecurry_flamingo/
農家レストラン ばあちゃんの台所「ちゃんぽん」
オーナーの故郷の味、本場長崎ちゃんぽんをMIRA-Dashi®のチキンタイプや白湯風タイプを活用して表現。地元野菜や、長崎からとりよせたちゃんぽんの麺で仕上げています。

農家レストラン ばあちゃんの台所
https://www.instagram.com/baachan100/
泉州漁港食堂 きくのや「海鮮丼」
マグロ、いかなどはこんにゃくを、いくらはカプセル状の食品を使用。それぞれをMIRA-Dashi®のカツオタイプで作った特製漬けダレで漬けて、丼ぶりに仕上げました。

泉州漁港食堂 きくのや
https://kikunoya2024.com/
Cafe’s9999「タコライス」
大豆ミートに、MIRACORE®素材を駆使してお店のタコライスの味に近づけた、ヴィーガンタコライスです。スパイスの旨みと新鮮な泉佐野産野菜でヘルシーながら満足感のある一品にしています。

Cafe's9999(Quatro Nueve)
https://www.instagram.com/quatro9999nueve/
スターゲイトホテル関西エアポート「“MIRA-Dashi®”使用 シーフード風味野菜トマトパスタ」
MIRA-Dashi®エビタイプを使用したスープパスタです。トッピングに、いくらのような粒状食品にMIRA-Dashi®で味付けをしたものをあしらい、彩りを添えています。

スターゲイトホテル関西エアポート|レストラン&バー
https://www.s-gth.jp/restaurant/
和モードちよ松「ミラダシ会席」
豆乳豆腐、沢煮蒸し、湯葉刺身、野菜炊き合わせ、天婦羅、タケノコご飯、赤出汁という豪華な会席料理。MIRA-Dashi®のチキンタイプやカツオタイプを使用し、ダシが決め手の和食を見事に表現。

和モードちよ松
https://www.wamode-chiyomatsu.com/
LONE STAR「水ナスハンバーガー」
大豆ミートで作ったパテと、厚切りにした水ナスを挟んだボリューム満点のハンバーガー。パテは何度も試作されたそうです。

LONE STAR
https://www.instagram.com/lonestar.osaka/?hl=ja
犬鳴山七宝瀧寺「精進弁当」
筍ご飯、春巻き、大豆ミートボール、大豆ミートの唐揚げカレー風味、松波キャベツと泉州玉ねぎのクリームペンネ、カプレーゼ――色とりどりのおかずがお弁当に。犬鳴山に修行体験に来られる外国人の方に<日本の四季>を感じていただけるようにと、旬の食材を使用し趣向を凝らしました。

犬鳴山七宝瀧寺
https://inunakisan.jp/
※団体で修業にお越しになる方などへの販売を予定
麺や大和「大和の白湯ラーメン」
麺や大和特製の白湯ラーメンをMIRA-Dashi®で再現。天狗醤油のかえしが決め手の泡系の白湯スープに、泉佐野産の紫玉ねぎなど様々なトッピングを添えて、彩り豊かに仕上げました。

麺や大和
https://www.instagram.com/yamato_e_irasshai/
試食する千代松市長
試食する大森社長市長・社長が召し上がるからと、各店舗では味に妥協することなく品質を磨き上げてきました。両トップはもちろん、会場で参加されたメディア・招待客の方も「動物性不使用とは思えない」とおいしさに驚いておられました。
9店舗分のメニューが勢ぞろい5.今後に向けて
スターゲイトホテル関西エアポートさまからは、3月よりさっそくメニューを販売いただいています。


ビーガンではない一般の方にも多く召し上がっていただいており、大好評とのこと。MIRACORE®メンバーもお店にお邪魔していただいてきましたが、お店の空間で味わうと感動もまたひとしお。
平日ランチでメニューを提供いただいている、ペストリーカフェ「パティステージ」
https://www.s-gth.jp/restaurant/pati_stage/
第二弾以降のメニューも企画されており、今後の展開がさらに楽しみです。
他の店舗でも、続々と発売していただいているそうです。
2月の試食会の際、千代松市長がスピーチで「食の多様性対応で全国一の市を目指す」とお話しされていました。その目標を近いうちに実現することを目指し、今回の9店舗に続いて泉佐野市内での更なる拡大を目指していきます。
また、不二製油の大森社長が「宗教やアレルギーなどを超えて、全員が同じ料理を楽しめるということが、日本のおもてなしの新たな形になるのではないか」とお話されていたように、誰もが「うまい!」と思える食は、観光におけるこれからのスタンダードになっていくのかもしれません。泉佐野市がそのさきがけとなり、全国に広がっていくことになればうれしいです。
ローカルな地縁でつながった泉佐野市とMIRACORE®︎。今後もますますこの取り組みを加速させ、食の制限がある方もない方も「うまい!」と喜んでいただける究極の「多様性」のロールモデルを目指していきます。
行政・DMOが地域事業者とのハブとなり、MIRACORE®が技術・素材提供や開発支援を担うことで、飲食店による食の多様性対応メニューの導入を進めてきました。
本事例のように、食の受け入れ環境整備に課題を持つ自治体の方と、地域の状況に応じた形での取り組みが可能です。まずは小規模な勉強会からスタートするなど、段階的な設計にも対応しています。
地域における食の多様性推進に関するご相談は、以下よりお問い合わせください。
お問い合わせ先:
https://www.miracore.jp/contact/