どんなお店?

「千房 Diversity 台中漢神インターコンチネンタル店」は、お好み焼きや鉄板焼きを中心に展開する千房ホールディングス株式会社が、26年4月10日に台湾・台中市にオープンした高級鉄板焼きの新業態です。
国内のハイエンドブランド「ぷれじでんと千房」で培ってきたホスピタリティを基盤に、コース主体の業態として設計されています。
通常コースに加え、ベジタリアンコース「翠宴(Sui En)」を提供。また、MIRA-Dashi®をベース素材に活用いただくことで、フードダイバーシティに対応しています。
台湾では、台湾素食に代表される植物性食の文化が広く根付いており、こうした地域の食文化や嗜好に配慮したメニュー設計を通じて、より幅広いお客さまに楽しんでいただける業態として展開されています。
(千房ホームページ情報)千房の新業態「千房 Diversity」が台湾・台中にグランドオープン!
実食!
今回の訪問では、ベジタリアンコース「翠宴(Sui En)」と通常コースが同じ構成で提供されているという点に注目していました。今回はなんと特別に、翠宴メニューと通常メニューの両方をいただくことができました。

翠宴コース 「トリュフとキノコのイタリア風野菜スープ」
濃厚なコクを感じさせながらも重たさを感じさせない、バランスの取れた味わいのスープです。口当たりはなめらかで、後味はすっきりと、食べ進めやすい仕上がりに。
スープは、キャベツ本来の甘みを引き立てながら、全体として調和の取れた味わいを生み出していました。
また、コースのオープニングメニューとして、こちらのスープは食欲を引き立てる役割を果たしていました。
プラントベースコースに限らず、通常メニューにおいてもおなじスープベースを活用されているそうで、動物性原材料の有無に関わらず、しっかりとした満足感と豊かな風味を感じていただける仕上がりでした。

翠宴コース「野菜のアクアパッツァ」
今回の野菜メニューとしてご提供いただいたのはナスでした。ナス本来のやさしい甘みと、ひよこ豆の食感のアクセント。全体としてバランスの取れた一品に仕上がっていました。
ソースの味付けはスープよりも濃厚ではありつつも、重たさを感じさせることなく、最後まで心地よく味わえる絶妙な濃さでした。
コース全体の流れとしても、徐々に味の強度が高まり、次の料理への期待感と食欲を自然に高める構成になっていると感じました。

ステーキ(前:特製エリンギステーキ仕立て、後:黒毛和牛サーロインステーキ)
プラントベース特製エリンギステーキ仕立てと黒毛和牛サーロインステーキを、それぞれ少量ずつ試食させていただきましたが、どちらもとても満足度の高いお料理でした。
新鮮な焼き野菜は香ばしさと自然な甘みが引き立ち、千房オリジナルソースのコクと絶妙に調和。旬の野菜そのものの美味しさを楽しみながらも、メインコースとして十分に満足感のあるとなっていました。
プラントベースのエリンギステーキは、しっかりとした食べ応えと旨味があり、ソースとの相性も抜群。植物由来でありながら物足りなさを感じさせない仕上がりでした。
黒毛和牛サーロインステーキは、柔らかい食感とジューシーな旨味が印象的で、素材の良さを存分に感じることができました。
こちらのお皿では、通常コースもプラントベースコースも同じソースを使用しているとのことで、野菜・肉いずれの食材にも自然に馴染み、コクのある味わいを楽しめると感じました。

お好み焼き (前:プランベースお好み焼き、後:オリジナルお好み焼き)
プラントベースお好み焼きとオリジナルお好み焼きを、それぞれ少量ずつ試食させていただきましたが、どちらもとても美味しかったです。
プラントベースお好み焼きは、しっかりとしたコクがあり満足感が得られる一方で、新鮮な焼き野菜のトッピングが加わることで、重たさを感じさせず、さっぱりとしたバランスで最後まで美味しく完食することができました。
また、生地はグルテンフリーという点も特徴的で、体にやさしく、アレルゲンをお持ちの方にも配慮された安心感のあるメニューだと感じました。
一方、通常コースのお好み焼きも、上品で奥行きのある風味が印象的で、日本ならではの本格的な味わいをしっかりと楽しむことができました。
実際に体験してみると、料理の内容は異なりながらも、コースの流れや満足感は一貫しており、同じテーブルを囲む人たちが、同じ「時間」と「食体験」を共有できる設計になっていることがはっきりと感じられました。

金曜日の夜に訪問した際のお店はほぼ満席で、高い人気を感じました。
来店客は年齢層や属性も幅広く、多様なお客様に支持されている様子から、「ダイバーシティ」というコンセプトが実際の顧客層にもよく表れていると感じました。
また、隣席の若い世代のお客様も、プランベースコース「翠宴(Sui En)」を注文されており、プラントベースメニューが特定の層に限定されることなく、幅広い顧客に受け入れられている点が印象的でした。
「特別対応」ではなく、すべて一流。新しいおもてなしの形
この体験を通して印象に残ったのは、どのような食背景を持つ方もごく自然にテーブルを囲み、同じおいしさ・同じ満足感のお食事を楽しむことができる、理想のような状態が実現していたことです…!
食のおもてなしの現場では、食の制限や嗜好に応じて料理を分ける「特別対応」が一般的ですが、最初から一つのコースとして設計されているところが、千房Diversityならではの特徴です。
誰かが我慢をするわけでもなく、
誰かだけが別の料理を選ぶことでもなく、
同じ流れの中で、それぞれの食が自然に成立している。
その設計が、レストランの空気としても心地よく感じられました。
ベジタリアンコース翠宴(メニューは季節によって変わります)また今回、台湾・台中の店舗を訪問して感じたのは、「オールパーパス」という考え方が、海外の現場でも無理なく成立しているということでした。
MIRACORE®は、ダシを植物性にすることで、一つの設計で多様な食ニーズに対応するという考え方を「オールパーパス」と呼んでいます。
今回の店舗では、その考え方が、実際の商業店舗として自然なかたちで体現されていました。
料理を分けるのではなく、設計そのものをシンプルにすることで、食の背景が異なる人たちが、同じテーブルで同じ体験を共有できる。
台湾という、多様な食文化が共存する地域において、そうした設計が日常の食体験として提供されていることは、とても象徴的なことだと思いました。